こんにちは店主の大久保です。
世界で流通するコーヒーのわずか1%未満、「幻のコーヒー」と呼ばれるリベリカ種をご存知でしょうか?
この記事では、リベリカ種の特徴や栽培の可能性について、実際の写真とともに詳しく解説します。
リベリカ種について

※インドネシアで栽培されているリベリカ種の木。樹齢は聞いていませんが、相当昔に植えられた個体だと思われます。
概要
リベリカ種は西アフリカのリベリア共和国で1800年代後半に発見された種です。現在は、アジアだとフィリピンやマレーシア、アフリカのウガンダなどで栽培されています。
特徴
※左がリベリカ種で右がアラビカ種。
リベリカ種の特徴飯と言っても大きさです。樹高は5 ~ 17mに育ち、葉はとても大きく、そして種子も大粒であることが特徴です。根も頑丈であることが知られていて、アメリカのハワイ州で接木の台木として利用されています。
ハワイは火山活動が活発であり、地中には溶岩によって生み出された岩石や障害物があるため、土台部分はリベリカを使用し強靭な根で地中に根を張り、上部はアラビカ種ティピカ品種を使用することで、繊細なアラビカ種のコーヒーを作り出すという利用事例があります。
病害虫耐性
かつて、コーヒー産業は「さび病」という深刻な病害に見舞われており、この病気はアラビカ種に壊滅的な被害をもたらしました。
※さび病については関連記事をご覧ください。カティモール品種とは?特徴と開発された歴史を解説します
しかし、リベリカ種はこの病気に対して耐性を持っていたため、一部の地域ではリベリカ種が採用されることとなりました。
注目される理由
※個体差はありますが、30cm未満の小さな苗木でも大きな葉をつけることがあります。
低地でも栽培が可能で、病害虫にも強く、乾燥や高温にも一定耐えることができるため、アラビカ種が育たない環境でも栽培が可能であることなどが挙げられます。
近年の温暖化の影響で日本の夏の気温も上昇していますが、当然栽培地の気温の上昇も記録されております。
その影響で、アラビカ種の栽培地域は2050年には半減する可能性(2050年問題)があると指摘されています。
しかし、リベリカ種であれば比較的高温にも耐えることができ、病害虫にも強いため、アラビカ種以外の栽培品目として注目を集めています。
実際にマレーシアなどの一部の地域では、「スペシャルティリベリカ」として生産・販売しているリベリカもあり、産業に取り入れられているという実績もあります。
種子(豆)の見た目
※インドネシアのリベリカのローカル品種。
リベリカ種の種子は先端が尖る傾向があり、大型であることが多いです。

※Liberica Parent / Liberica Tungkalの写真。
ウガンダで発見されたリベリカ種に近い遺伝子を持つLiberica Parent もしくは Liberica Tungkalはより先端が尖っている傾向があります。
外皮のパーチメントが分厚く、カフェイン含有量が多く、そして収穫できる豆の大きさが揃いにくいことなどからあまり育てられていないと現地の生産者さんから聞きました。
少ない流通量について
リベリカ種の流通量は約1%だと言われていますが、主に以下の理由からだと考えられています。
- 収穫まで約1年の時間がかかる
- 木が大きくメンテナンスや収穫が困難
- (特にLiberica Parentは)カフェイン含有量が多く、強烈な苦味がある
- 豆の大きさが均一ではない
- 生産国内で消費されてしまう
- 他家受粉という特性上、最低でも2本のペアが必要であること
個人的な考察ですが、木があまりにも大きくそして収穫のサイクルが長いことから、収益性が悪いのだと考えています。
アラビカ種であれば開花から6 ~ 9ヶ月で収穫できますし、カツーラやカツアイといった矮性品種を導入することで、省スペースで多くの収穫を見込めます。
また他家受粉である特性上、結実の確実性が低いことも影響してそうです。
ちなみにアラビカ種は自家受粉で、人の手を介さずともほとんどの場合受粉するので、手間はかからないことが多いです。
まとめ
以上がリベリカ種の解説でした。
日本国内ではリベリカ種の認知度は高くありませんが、大きな木に育つという点での観葉植物としての面白さや、低地高温地域での栽培が可能であることから、今後より注目される種だと考えられます。
当店ではリベリカ種の取り扱いもありますので、栽培に興味がある方はショップをご覧になってください!