みなさんこんにちは、店主の大久保です。
コーヒーの品種で
- カティモール
- カチモール
といった品種を見かけることが多いですが、そもそもカティモールとはどのような品種なのでしょうか?
この記事ではカティモールについて解説します。
カティモールとは?

概要
カティモールとは、1950年代にティモール島で見つかった、アラビカとカネフォラ(ロブスタ)の交配種の「ティモールハイブリッド」と、ブルボンの変異種である「カツーラ」を交配させた品種のことです。
CatturaとTimor Hybridの交配種であることから、それぞれの名前からCatimorと名付けられたようです。
また呼び方ですが、
- カティモール
- カチモール
と呼ぶことがありますが、翻訳の問題であり、どちらも同じCatimorを指しています。
※当店は沖縄から仕入れることもあり、沖縄ではカティモールと呼ぶ方が多くカティモールと呼んでおります。
特徴

カティモールは以下の特徴があります。
- 病害虫に強い
- 生産性が高い
- コンパクトな樹形
アラビカとカネフォラ(ロブスタ)の交配種であるティモールハイブリッドの遺伝子が入っていることで、カネフォラ由来の病害虫耐性と生産性の高さがあり、カツーラからは矮性の特徴を受け継いでいます。

一般的にコーヒー生産には大量の農薬が使用されますが、病害虫に強いカティモールは農薬の使用量を抑えることができます。
※一部のカティモール品種では病害虫耐性がなくなったものもあります。
そのため、生産者は農薬散布が少なくてすみ、農薬代を節約できるといったメリットがあります。
一方で、大量の肥料を消費する傾向があり、肥料を多く使用するためその分コストがかかるそうです。
※沖縄で聞いた話ですが、アラビカとカネフォラを一緒に植えると、カネフォラに栄養を吸い取られてアラビカがダメになると聞きました。カティモールが肥料を大量に要するのは、カネフォラ由来なのかもしれません。
なぜ開発されたのか?

コーヒー栽培はさび病との戦いと言っても過言ではなく、病気との戦いの歴史があります。
かつてコーヒー生産地であった場所がなくなってしまったり、生産規模を縮小しないといけないといったこともありました。
伝統品種であれば特に病気への耐性がないのですが、カネフォラ由来の病害虫への耐性があるカティモールであれば、生産力を高め、そして病害虫にも強いという特性があり、生産上のメリットがあり各国の研究機関でで品種の改良・開発が行われてきました。
代表的なカティモール系品種
以下は代表的なカティモール品種です。
- Lempira
- IHCAFE 90
- Castillo
現在、カティモールはアフリカやアジア、中南米で広く栽培されており、スペシャルティコーヒーでも見かけることが多いと思います。
カティモールと個別品種の違いは?

カティモールは品種名として記載されることもありますが、厳密にいうとティモールハイブリッドとカツーラを交配した品種群を指します。
品種によってはカティモールにカツーラなどの品種を複数回交配させているものもあり、大雑把な言い方をすればカネフォラの遺伝子を持っているアラビカ品種をカティモールと呼ぶ、と考えることができます。
余談 サルチモールについて

少し脱線しますが、カティモールとは別にサルチモールという概念もあります。
カティモールはCatturaとTimor Hybridの交配品種を指しますが、サルチモールはVilla SarchiとTimor Hybridの交配種を指します。
Villa SarchiもCatturaと同様に矮性の特徴があり、ブルボンの変異種です。
サルチモールもカティモールと同様の特性があるため、、サルチモールとカティモールをまとめてカティモールと呼ぶケースが多いと思います。
まとめ
以上がカティモールについての解説でした。
カティモールは収穫量が多く、病害虫にも強く生産者にとってはメリットが大きいです。
仮に、伝統品種で病害虫に弱い品種を育てた場合、最悪のケースとしてさび病やその他病害虫により、コーヒーの木が壊滅的な被害を受けてしまうことも考えられます。
最高の味わいを出せなかったとしても、収穫量が多く、収穫の確実性を高めることができるのであれば、農園経営は安定します。
私自身もカティモールを育てていますが、2025年に収穫できたのはカティモールだけです。
カティモール以外にはティピカとムンドノーボも収穫できる予定でしたが、開花しても実が大きくならず、収穫には至りませんでした。

経験したからこそ言えますが、カティモールは成長力が凄まじく、丈夫なため確実性を高めるという点でとても良い選択肢だと言えます。