当店がコーヒーの木の品種同定の精度を高めるために行っていること

当店がコーヒーの木の品種同定の精度を高めるために行っていること

こんにちは、店主の大久保です。

当店ではアラビカ種やカネフォラ種、リベリカ種といった幅広いコーヒーの木の種子を取り扱っております。

それぞれの商品には品種名を記載しておりますが、お客様から品種名の確かさについてお問合せをいただくことが増えてきました。

この記事ではコーヒーの木の品種同定の精度を高めるために行なっていることを共有させていただきます。

商品の品種名について

品種同定の取り組みを共有する前に、各商品の品種名についてお伝えします。
当店で記載している品種や種の記載は、DNA鑑定の解析結果ではなく、生産農園からの情報をもとに記載しています。
そのため、DNA解析などの試験を行なった場合、異なる品種名になる可能性があります。

品種名を正しく把握できない理由

品種同定のためにはDNA鑑定などを行う必要がありますが、そのためには世界中の様々品種をサンプルとして取得し、それらの情報と照らし合わせて、遺伝が近いのか、それとも遠いのか、はたまた全く新しい品種なのかを判断する必要があります。

それに加えて、特にアラビカ種は自家受粉のため、変異が比較的生じやすいと言われています。
また、アラビカ種は遺伝子解析を行なったとしても分類結果が近似することも多いことから、コストと手間の面から生産農園でもDNA解析を行なっていないケースがほとんどです。

このような理由により品種名を正確に把握することが大変難しいです。

品種同定の精度を上げる取り組み

生産農園でDNA解析を行なっていないケースがほとんどとはいえ、当店では品種同定の確率を高めるための取り組みを行なっています。

テイスティング

同一種の場合、種子の見た目だけで品種を判断することは大変難しいです。
そのため、特に高級ラインナップのゲイシャ品種のみ生産農園にサンプルを請求しテイスティングを行なっています。
テイスティングをしたからといって100%の精度を出すことはできないですが、
・floral
・acidity
・body
・cleanness
等の確認を行い、ゲイシャの特徴が強く出ているかの確認ができたもののみ販売しています。

ゲイシャ品種は個人でもご購入される方もいらっしゃいますが、農園事業を行なっている法人需要も多く、育苗・農園経営を前提としたご購入が多いため、輸入するロット全てを確認しています。

一方で、香りが特徴的なゲイシャを除く品種では焙煎サンプルを請求していません。
ゲイシャや一部の高級品種は香りや味わいが特徴的ですが、その他の品種では特徴がつかみにくいためです。

樹形の確認

テイスティングで判別できないような品種の違いを確認するために、実際に収穫されたエリアのコーヒーの木の写真を請求しています。そして商品ごとに提供しています。写真の木と採取した木が完全に一致するとは限りませんが、採取したエリアの該当品種の木を提示しているため、品種同定の一つの情報として提示しています。 

昨年販売したブルボンポイントゥはまさにその例で、種子の形状だけで判断することが難しかったため、木の写真を複数枚請求して、最終的に発売を決定しました。
確信を持って発売するということはできませんでしたが、樹形と種子の形状、生産農園に質問した内容をそのまま提供することで、情報の非対称性を可能な限り減らして提供できたかと思います。

栽培エリアの隔離

ゲイシャやリベリカの原種などの一部のロットは隔離したエリアで栽培しているものを輸入しています。
特にゲイシャはエチオピアやパナマのエスメラルダ農園からのもので、生産する豆のクオリティも高く貴重なものです。リベリカ種も原種は飲料としては適さないような味わいだそうですが、研究目的として保管されています。
これらの品種(種)のコーヒーの木を、純粋さを保つために交配しないように栽培されています。
隔離することで純粋さを保つことができますが、一方で栽培本数が限られてしまい、その結果販売コストが高くなってしまうというデメリットもあります。
一部の高級ロットに限られますが、純粋さを保った隔離ロットを仕入れています。

仕入れ先のスクリーニング

当店では複数の農園から仕入れていますが、その中には小規模ですが研究活動を行う農園もあります。
商品の説明書きや上記の通り、品種に対して100%の保証を行うことは難しいですが、様々な生産農園やエクスポーターから輸入をした結果、クオリティが高く、テイスティング資材や収穫エリアの写真提供などをしていただき、信頼できる業者とのみ取引を行なっています。
実際に販売している種子はクオリティの高いものですが、輸入したものの中にはカビが発生していたり、クオリティが低かったり、テイスティング資材もゲイシャらしい味わいがないものも含まれていました。
当然そのようなロットは販売せず、試供品として提供するか廃棄しています。

まとめ

まとめになりますが、当店で販売している種子はDNA鑑定等は行なっていません
その代わりに、味わいや樹形などから品種の情報を得て、少しでも品種同定の確率を上げることができるように取り組んでいます。
品種に疑念がある場合は、情報をそのまま開示した上で販売するか、販売を見送っています
現在は収穫した木が栽培されているエリアの写真がメインの情報源ですが、取得でいるかどうかは場合によりますが、追加で情報を請求することは可能なので、必要な情報があればお気軽に問い合わせください。